島根県・浜田市の自然素材・伝統木構法・ひとに優しい家造りにこだわる田原建築設計事務所


★ 日本の伝統に基づいた
     21世紀の家づくり



★ 実証実験
     (2007.春)



★ 実証実験 その後
     (2007.夏)



★ 山を 守る
     (2007.秋)


★ ワークショップ
     (2008.春)



★ 木造住宅勉強会
     (2009.春



★ 木造住宅勉強会
     (2009.秋


  伝統木構造の家とは

伝統木構造の家

 ◇激震に生き残る家
    
過去の歴史の中で激震にも耐える事が実証済 
 ◇樹の強さを生かして建てる

    
樹は育つ過程で 自らの重量を支え暴風にも耐える
     強い力を得ている

 ◇小さい材料の組み合わせで強さを出す構造
 ◇壊れても 全壊には至らず 再生可能
 ◇移築・転用等 再利用可能 


  ・ 伝統木構造の会 会長    増田 一眞 著
      掌編技術新書1  私の考える道理 激震に生き残る伝統木構造の家 
    をもとに まとめています
   ・
  関連記事   情報のページ 「伝統木構造による建築」                                                  

  21世紀の今 
   伝統木構造による家づくりをする メリット


 ◆生命を守る
         ・全壊することはない
 ◆大工技の伝承
         きざみを 通して
 ◆山を 守る
         間伐材を利用する
         山の環境が守れる
 ◆CO
2排出を抑える(地球に優しい)
         樹で建てる
         ・再生・再利用可能
 ◆低コスト
         ・きざみがしっかりしていれば(キット) 
             プラモデルのように組み立て かんたん
         素人の趣味とすることも可能

 更に 屋根に 石見瓦をのせることにより
 
 ◆地場産業の振興
 
 ◆石見の景観特性の保全
                 も 期待できる

  21世紀の家づくりを通して 
   地場産業の振興と石見の景観特性保全をめざす試み
 

 ただ今 これらのメリットを生かして 
 地域の産業の振興と 伝統・文化の伝承を図るべく

 石央森林組合 (協)ヴァーテックス (財)島根西部振興財団
 
(株)木村窯業所 (有)田原建築設計事務所
 
 の5団体で 共同開発中。

 


★ 実 証 実 験(2007.春)

  刻みができていれば 素人でも小屋を建てることができるか。
 素人では難しい箇所はどこか。 
 その場合 事前の教習や 部材や工程の工夫によって解決できることはないか。
 いろいろな課題をもって
 燻煙間伐材石見瓦を使用して伝統木構法素人が建てる実証実験が始まった。

 
 ≪ 準 備 ≫

 あらかじめ 作業場で 大工により 燻煙間伐材 刻み
 建設現場では 基礎の準備

 ≪ 作 業 1日目 ≫
 

 
初めてのことなので 大工に指導に付いてもらい 素人6人で 作業開始
 作業の流れは 左から右へ 上から下へ

@ 土台設置     A 柱を配置 B は 通り架構設置
C ろ 通り架構設置 D に 通り架構設置
E い 通り架構設置
F 壁板の落としこみ
G 力貫の設置
H 小屋組み資材あげる
 
 慣れない作業で疲れたが 棟上直前までこぎつけた
 昔は 親戚や隣近所総出で にぎやかに 組み上げたのだろう
 家づくりの原風景を体感し
 「とにかく おもしろい」 というのが 素人集団の感想だ

 ≪ 作 業 2日目 ≫
 
 大工2名 素人2名で作業

@ 母屋設置 A 火打ち設置 B 小屋貫き
C 妻側矢切り部設置 D 小屋組み完了
E 野地板設置
F 野地板先端切りそろえ
G 登り淀設置 H ルーフィング 桟木打ち

 屋根ができて 家のかたちが見えてきた。 達成感がある。
 今日は 高所での技を要する作業ばかり。 素人でしかも高所恐怖症の私には 手の出せる場面はなく 1日中 地上で外壁の塗装作業をした。
  

 ≪ 作 業 3日目 ≫

 素人4人で作業

@ 屋根葺き
A 床板塗装

 屋根葺きは 日頃は 瓦を製造・販売している 瓦屋さんが担当。
 我々は 翌日 大工さんにはってもらう床板の塗装作業をした。
 家は シックになり 周囲の自然に 溶け込んだ。

 ≪ 作 業 4日目 ≫

 大工1人 素人4人で 作業

@ 床板張り
A 屋根葺き 続き
B 塗装 1回目  2回目



 床張りは 大工さん。
 我々素人は 屋根葺きと塗装を担当。
 サッシが入れば完成。
 

 今回 実際に行動してみることによって皆のおもいが3Dのかたちとなって現れた。
 間伐材を使い 素人でも小屋組みができることが確認できた。しかも、楽しみながら。
 これから、課題についての検討が始まる。
 燻煙材を用いることによって随分修正されてはいるが、木には乾燥に伴う狂いがつきものである。できた小屋が、自然の中でどのような変化をみせるのか 観察もしていく。
 2棟目、3棟目の建設も計画している。
 その時には、早春の大自然の中 おもしろがりながら作業することによって素人集団の胸いっぱいに溜め込んだエネルギーが おおいに活動の推進力になることはまちがいない。
                                            

★ 実 証 実 験  そ の 後(2007.夏)

 
 7月下旬 小屋の状態を点検した。
 玉石の上に くぎを使わず木組みだけで建てた 昔ながらの小屋である。
 春に完成して以降 梅雨の長雨や台風を経験した。
 素人が中心になって建てた小屋にくるいは出ていないだろうか。一抹の不安を胸に現場に着くと、写真(上)のような状態。
 
外観は問題なし。

 
床下の梁(左上) 梁と柱の接合部(右上) いずれも ゆるみも隙間もなく 問題なし。
 
同様に 上部の梁も問題なかった。

ただ、板壁に隙間がみられた。これは、本来縦方向の力に強い板を横にねかせて落とし込んでいるためと考えられる。
しかし、今回は、素人にも容易な方法ということなのでこの工法ははずせない。

現在、板壁の作り方の改良実験をしながら、第2弾を検討中である。



★ 山を 守る (2007.秋)

   
始まりの 山から
晩秋の山へ 連れて行ってもらった
住宅に用いられている木材の履歴を 始まりの山からたどる集まりに参加したのだ
この山は 『漁民の山』となっていて 海の環境を守るため 海の人たちも手入れに参加しているそうだ

実に 手入れの行き届いた山だ

広葉樹が育つに必要な 適度な間隔を保ちながら
自生した苗を大切にしながら
補植は山で種を採取して。外から苗を持ち込まないを原則としながら

まるで わが子のように
自然な育ちに 寄り添い 見守られながら年輪を重ねる 樹 樹 樹・・・・・・


このように大切に育てられた材で建ったと思うと
柱に 床に・・・家に 一層 いとおしさが増すことだろう

これから住宅の建築をと計画している方
このような機会に参加して
山の樹に会ってみては いかがか
そして
材となってからの歴史に 寄り添う暮らしを 楽しんでみては いかがか
人生が より豊かなものになるだろう

                                          

★ ワークショップ(2008.春)
    
   おしらせ

石見の森林資源を考える会では 
県産材を活用し
日本の伝統に基づいた
21世紀の家づくりをすすめている。

昨年は 第1弾として 「小屋」を建てた。 
今年は 第2弾として 「小さな 離れ」を計画した。
今回は だれでも手助けができるワークショップ形式で建てる。
かつて 日本の民家が近所の人の力を合わせて建てられていたように、昔ながらの家づくりの一端を体験できる。
昨年の経験から言うと、素人でも、皆で力を合わせて組み上げる過程は 
とにかく おもしろかった。

 家づくりに参加してみたい方
     どなたでも手助けができる 
             ワークショップ形式です
                       
 ぜひ この機会に ご参加を!



「小さな 離れ」     模型
 

  家づくりワークショップ

     参加型家づくり
     実物の60%の模型を
     みんなで組立しよう

   日時  3月27日 (木)  午後1:30〜4:00
   場所  浜田市弥栄町長安本郷 
          島根県西部山村振興財団
   TEL  0855−48−2332

  ワークショップの様子
                                          

みんなで作業することを意図したワークショップだったが参加者の構成上組み上がる様子を見学される方が多かった 
 


★ 木造住宅勉強会(2009.春

 
     おしらせ

3月14日(土曜日)

宮大工の小松原氏を講師に招き 伝統的木造住宅について勉強会をします
古民家を移築改装した施設 『 たばせや 』 に集い 
木造建築を支える伝統技術や 木材のいろはについて
知識を深めてみませんか
長年にわたる経験に基づく貴重なお話が伺えるものと思われます
建築に携わる方はもちろん 一般の方の参加も歓迎です 
 
詳細は こちらへ 


    
春の勉強会の様子を 写真で 振り返ってみます。


関心のある方がたくさんおられるようで、盛会でした。
講師の小松原さんに、木材の性質や木組みの技術についてお話していただきました。(上写真 右)
その後
2008. 3.27 におこなった『家づくりワークショップ』での60パーセントモデルを組み上げて、基本的な木組みを実感してもらいました。
残念ながら
日程の都合上、この日は最後まで組み上げることはできませんでした。

勉強会のおしまいは
小松原講師を囲み、いのしし鍋をいただきながらの情報交換会となりました。


この日は、ポリテクカレッジから 若い学生さんたちの参加があり、木組みの組み上げに 大いに興味を示してくれました。
主催した我々にとっても、伝統木造に希望のもてる会となりました。

                                          


★ 木造住宅勉強会(2009.秋

    おしらせ

増田先生をお迎えしての勉強会

春の勉強会での 木造住宅に対する関心の高さに後押しされ、増田先生に直接ご指導受けられたらと考えました。
先生は、伝統構法に蓄えられた知恵を生かして現代構法を工夫することに情熱をそそいでおられ 年中 全国各地を講演のために飛び回っておられます。 無理を承知で 講師のお願いをしたところ こころよく 我々の依頼に応えていただき 秋の勉強会の運びとなりました。


 日 時    11月21日 午後1時30分

 会 場    『たばせや』を主会場とし
          移築古民家の見学も計画しています。

 講 師    増田 一眞  氏
         *講師プロフィール*
          NPO伝統木構造の会会長
          建築士会報で伝統木造工法について連載中
          株式会社 増田建築構造事務所 代表取締役 
          現在、先生が構造を担当された伝統工法による
           アーチ構造の建物が大分県で建設中

大型ながら接合部は伝統的仕口がふんだんに使われている体育館
                      
詳細は こちらへ   
                


    
増田先生をお迎えして
11月21日(土)
増田先生をお迎えして、伝統構法による木造住宅の可能性を アーチ構造を中心にお話いただきました。
会場は、地元の小松原棟梁によって移築された古民家の藤井邸でした。(写真下)会場として快く提供していただきました。
市内だけでなく、市外や近隣の県から駆けつけてこられた参加者
木造住宅に関心を持たれた一般の方の参加もあり、盛会となりました。
ここまで、『しまねの木のある暮らし』を提案すべく、関連団体がいっしょになって山の勉強、木の勉強、木組みの勉強を重ねその土壌づくりに取り組んできた我々にとって、増田先生をお迎えできたことはとても感慨深いものがあります。
現在 木造住宅は 建築基準法による規制や木材調達という点で 施主にとっても設計者にとってもハードルの高いものとなっていますが、
増田先生は、伝統構法を駆使すれば、間伐材でも、千年持ち しかも 美しい建物ができることを力説されました。そうすれば、山を守ることができ、日本の伝統美も技も継承できると。『建築に携わる者は、もっともっと知恵を絞って可能性を探らないといけない。チャレンジしなさい。』 と 喝も入れていただきました。
折から、最近の安い・早いを追求する暮らしを捨て、昔からの良い物に囲まれてシンプルにこころ豊かに暮らす 『暮らしルネッサンス』の動きがあります。
この好機にのって 『しまねの木でつくる 豊かな暮らし』 普及に向け、現状から一歩踏み出していきたいものです。
そのための方向性を示していただけた会となりました。


                                         
 







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