島根県・浜田市の自然素材・伝統木構法・ひとに優しい家造りにこだわる田原建築設計事務所

〜伝統木構法の家〜    《相生の家》のできるまで
スライドショー
相生の家が完成しました。スライドショーでごらんいただけます。
家ができる過程は コラムのページで紹介してきました。
これから家を計画される方に 家づくりの過程伝統木構法による建築をイメージする参考にしていただければと思い まとめておきます。
2006年2月4日(土)
《相生の家》のできるまで (1)
 伝統木構法による住宅の建築が始まりました。
 これから完成まで、その過程を紹介していこうと思います。
 まず、現在までのところです。
 写真は、地盤改良の作業の様子です。(2005年12月7日)
 調査の結果、この敷地の土は上に建物がのると地盤沈下をおこす可能性が認められたので、悪い土を撤去し(左)良い土に入れ替えました。(右)
2006年2月4日(土)
《相生》の家のできるまで (2)

 写真は、地盤改良作業の様子です。(2005年12月9日)        
 入れ替えた土をしめ固めながら(左・中)元の状態に戻しました(右)
 

2006年2月4日(土)
《相生の家》のできるまで (3)

 写真は、基礎底に砕石を敷き込む作業の様子です。(2005年12月20日)
 基礎をつくるために削った土の表面を、砕石を敷き込むことによって安定させます。

2006年2月4日(土)
《相生の家》のできるまで (4)

 写真は、基礎配筋検査の様子です。(2005年12月28日)
 図面どおりであることが確認されたので、このあと、年明けにコンクリートが注入されました。
 

2006年2月4日(土)
《相生の家》のできるまで (5)

 写真は、基礎が完成した状態です。(2006年1月28日)
 現在は、材木を刻む作業が進行中です。次回は、その作業の様子を紹介できればと思います。

2006年2月22日(水)
《相生の家》のできるまで (6)

 施主ご夫妻と共に木工作業の作業の現場を見学しました。
 土台(1階)部分のきざみが終わり、今は、2階の床部分です。仕口(接合部分)をきざんでいるところです。
 出来上がった部材は、搬出しやすいように建てる順にまとめて積み上げられていきます。広い作業場も、作業スペースを確保するのがたいへんな程だそうです。
 施主ご夫妻は、一のみ一のみ、大切に、正確にけずり出されていくさまに感激され、そして、何より安心されたようです。

 撮ってきた写真は、ご参考までに情報のページに掲載しておきます。


2006年3月13日(月)
《相生の家》のできるまで (7)

 今朝はうっすらと雪が積もっていました。
 ピンとはりつめた冷たい空気の中で、いよいよ、相生の家の組み立ての始まりです。
 昔ながらの方法で組み上げていくので、棟上までには2〜3日かかるようです。

2006年3月14日(火)
《相生の家》のできるまで (7)

 2日目の様子です。
 クレーンで宙吊りにした状態で組んでから土台に固定していきます。
 右の写真で 傾ぎ大入れ胴栓打ち の組方(接ぎ方)が確認できます。この部分は、地震の時、大きな力を発揮します。
 今日もとても寒いのですが、最近見られなくなった作業なので、ギャラリーも結構いるようです。見ごたえのある作業です。

2006年3月16日(木)
《相生の家》のできるまで (7)

 4日目の様子です。一階部分が終わったところです。
 今日は大雨の中での作業です。
 右の写真。金物が使われていないことが(接合に)よく分かります。
右写真上部、横に渡っている板を梁といいます。組み合わせ梁になっています。小さい部材を組み合わせることによって大きな梁成となり、柱を締め付けます。
 横の板を貫(ぬき)といいます。一枚一枚は、薄い部材ですが、写真のように柱に通すことによって、梁と柱によってできる空間をしっかりと固めます。
 とても強い構造なのです。

2006年3月17日(金)
《相生の家》のできるまで (7)
 5日目になりました。
 二階部分の組み立てです。
右上の写真は、梁をクレーンで吊るして設置しているところです。
金輪継ぎの接合梁です。(左写真の継ぎ方)
 作業をする大工さんの弁。
 「一般住宅の場合、接合梁をクレーンで吊るすと曲がる
  ものだが、この梁(金輪継ぎの梁)は、びくともしない。
  強いもんだなあ。」
 大工さんも改めて強さを実感しておられます。
2006年3月18日(水)
《相生の家》のできるまで (7)

 6日目です。
 棟が上がりました。
 最後に縦、横を調整して水平にし、くさびで固定していきます。

2006年4月20日(木)
《相生の家》のできるまで (8)

 棟上までの工程により、相生の家は、図面上から三次元の建物として姿をあらわしました。
 屋根に瓦がのり、外装工事が進行中です。
 この時期、屋根や外装やサッシなどポイントとなる部分について、材質や色など決定事項が多く、施主にとっては、新たなお悩みの日々が続きます。
 
 相生の家の特徴は、木組みによって生まれる強さですが、それは力強い美しさでもあります。


 木組みを見ながら暮らしたいのですが、相生の家では、防音と冷暖房の熱効率を上げることを優先したため、すべてを見せるということはせず、階段部分に集約して、その美しさを演出することになりました。


中央の丸柱を中心にらせん階段がつく

階段部分一階からトップライトを見上げて


 吹き抜けのらせん階段を上り降りしながら、板や木組みの美しさを楽しむことになります。


2006年6月7日(水)
《相生の家》のできるまで (9)

5月12日

5月19日

5月29日

外装工事がほぼ終わりました。
タイルや壁の色は、シュミレーションや見本をもとに吟味されました。
見本と比べ、実際に(広い面積に)張ったり塗ったりした色は、少し薄く感じるようだと、施主から貴重な感想をいただきました。これから建築される方、今まさにお悩み中の方、参考にしてください。
天候がはっきりせず写真ではよく分かりませんが、実際の色は、これから戻される植栽の緑と調和するバランスのいい色に仕上がっています。さすが、施主ご夫妻の研究のたまもの。


これからが、この家の始まりです。
住み手は、この家からいい刺激をもらいながらライフスタイルを追求してゆかれ、それに応じてこの家もいい味を出してゆくのですが、その始まりの色として、とてもいい色です。

2006年6月9日(金)
《相生の家》のできるまで (10)

大工の技

内部の工事も進んでいます。
現場に行くたび 形となってあらわれる 大工の技に圧倒されます。
上の写真は、階段を無駄なく使おうということで大工さんが作られた引き出しです。
着物を入れたい程の美しい仕上がりです。


上の写真は、居間の天井です
直角に交わる板と板の収め方が 実に 美しい

下の写真は、構造体の 長ほぞ差しこみせん打ち です

1階 トイレ上部

2階 ゲストルーム
5月1日のコラム(公開耐震実験U)で紹介しましたが、この部分ががんばることによって、地震の時、倒壊から免れるのです。
ですから、この家では、構造体が表に出てもあえて切り取らず、そのまま見せることにしました。
大工の腕がいいからこそできたことです。
2006年7月12日(水)
《相生の家》のできるまで (11)
設備が 整い
建具が 入り
ウッドデッキが
取り付けられました。

 植栽や 門等 外回りの工事も ほぼ終了しました。
 照明取り付け等 電気工事が終わると完成です。

 完成すると、建築を始める時に提出した 確認申請 に基づいて 完了検査 を受けます。
検査が通れば いよいよ 入居です。

2006年7月28日(金)
《相生の家》のできるまで (12)
完了検査が終わりました。
入居を前に
柱や壁、建具など木の部分の表面保護処理作業をしました。
使用するのは、もちろん、天然素材 米ぬか由来のオイルワックスです。米ぬかは、昔から、ぬか袋にして木製品の磨き仕上げに使われてきました。
今回は、布などで塗り広げていくワックスがけの手法なので、簡単です。
今後のメンテのことを考え、施主といっしょに作業しました。

自然光沢でしっとりとした肌触りに仕上がりました。
家全体がしっとりと調和したというのが、作業した皆が口にした感想です。本当に 落ち着く空間 になりました。
今後は、定期的にこの作業を行えば、木の性能と美装が保てます。
作業後、建築に携わった者で打ち上げをしました。
 計画から3年
 建築作業が始まってから  9 ヶ月
 棟上から4ヶ月半
 
 解体の為旧宅を出られ   て9 ヶ月

 たくさんの困難がありました。
 それを 経験や知識や技やネットワークや・・・あらゆるものを駆使して乗り越えた喜びがありました。
 新しい製品や技術との出会いがありました。


   作り手も施主も
   一生懸命を尽くした
   充実した日々でした。

   

 

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