島根県・浜田市の自然素材・伝統木構法・ひとに優しい家造りにこだわる田原建築設計事務所


 木造建築の場合、家の土台部分の防虫・防腐を目的として、クレオソートやクロルピリホス(防蟻剤)という化学物質が使われていました。
 近年、シックハウス症候群が問題となり、法律によって、化学物質の使用や換気設備について厳しい規制が設けられています。
 しかし、ひとに優しいのは、科学物質を避け、できる限り自然に近い素材を使うことです。
 竹迫の家の施主 I 氏は、これまでに何軒もの住宅を建築してこられた経験とご自身の終の棲家としても・・という含みから、ひとに優しい家造りを目指され、防虫・防腐を目的として柿渋入りのべんがらを選択されました。

 以下、べんがらについて調べたことを簡単に記しておきます。

  【べんがら】
 べんがらは、酸化第二鉄を主成分とする安全な無機顔料です。黒・赤・黄・ベージュ・茶・朱など様々な色があります。その酸化第二鉄には防虫・防腐効果があり、有史以前から人類に馴染み深い赤色顔料として、今日に至るまで、漆の椀、化粧品、神社仏閣の彩りに使われてきました。現在、無害顔料として、食品、塗料、化粧品、インキ等に広く利用されています。

 建築では、抗菌・防水効果のある柿渋と一緒に塗ることにより、
防水・防虫・防腐・抗菌効果が得られます。
 調べていくと、柿渋にはホルムアルデヒドを吸着する作用もあると記されており、 
柿渋入りのべんがらは強力な木材保護剤といえます。
 昔、べんがら塗りは、社寺など特殊な建造物では化粧としての役目もありましたが、民家では、木材保護剤としてのみ認識され、塗装職人が行う作業ではなく、主に、手伝いさんや大工さん、または専門の職人さんが建て前(上棟)以前に作業を担っていました。そのため、はけ塗りではなく、木材にとの粉を塗るように擦り込みによって塗布していたようです。
 べんがらという言葉は、インドのベンガルに産する黄土を焼いて作った赤色の顔料に由来するようです。



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